チャプター 49

雨の瑞々しい匂いが、チャールズから漂う微かなウッディ系のコロンの香りと混ざり合い、エミリーの鼻腔をくすぐった。彼女は顔に浮かびそうになる不快な表情を押し殺し、車のドアを開けて荷物を積み込むと、自分も車内に乗り込んだ。

車内は沈黙に包まれていた。エミリーは無意識のうちに両手でシートベルトを握りしめ、どこか緊張を覚えていた。

ドライブはほんの三十分ほどだった。見覚えのある建物の前で車がゆっくりと停まると、窓の外を見たエミリーは驚きに目を丸くした。

ハワード邸のエントランスには、使用人たちが外で整然と二列に並んで待機していたのだ。

「これは……」

エミリーは困惑した表情を浮かべた。シートベ...

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